これらとは別に予防停職(preventive suspension)の処分がある。この処分は、懲戒とはみなされない。不正行為、重大な違法行為などがあり、刑事罰が課される可能性がある場合に、その調査の期間中は予防停職とされる。また懲戒権者が予防停職の日から90日以内に決定を行わない場合は、自動的に復職となる。
(4)略式手続き(summary proceedings)
次に該当するときは、所定の調査は必要とされず、略式手続きによって直ちに免職される。
?@告訴され、重大な事実により有罪とされたとき
?A再犯の場合、告訴が繰り返される場合、又は有罪であると信ずる合理的な根拠がある告訴がなされたとき
?B公務の信用を傷つけ、また公務に適わしくないとき
なお、懲戒権者による略式手続きは、客観的かつ明白な場合のみに行われる。
(5)大統領の権限
大統領は、メリット・システムに関わる事案及び人事委員会による懲戒処分などの行政罰を減罰又は免除することができる。
(6)懲戒処分の事由
不正行為をはじめとして、全部で30の懲戒処分となりうる事由がある。主に次の3つに大別される。ただし、複数の処分事由に該当したときは、最も重大な事由について懲戒処分が科せられる。
?@一般的な行動に関わるもの
○公務就職前の不名誉、不道徳又は不正な行為
○犯罪(道徳的な堕落を含む。)による有罪判決
○公務員関係法令の違反
○常習的な酒酔い及び法律上禁止されているギャンブル
○身体的又は精神的な無能力又は障害
○部下から借金をしている上司又は上司に貸している部下
○高利な利息で金を貸すこと
○政府に帰すべき債務又は税金を故意に履行しないこと
?A勤務態度に関わるもの
○不正行為、圧迫
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